今昔物語集 現代語訳

『今昔物語集』の現代語訳と解説。有志の参加者募集中です。

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2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

巻五第十三話 焼身した兎 月の兎が生まれた話

今昔物語集 巻5第13話 三獣行菩薩道兎焼身語 第十三 今は昔、天竺に兎・狐・猿、三匹の獣がいました。彼らは誠の心を起こして菩薩の修行をしていました。「わたしたちは前世に深く重い罪を負い、賤しい獣として生を受けた。これは前世に生きとし生ける者をあ…

巻七第一話 光を放つ『大般若経』 美しい夢を見た話

今昔物語集 巻7第1話 唐玄宗初供養大般若経語 第一 今は昔、震旦は唐の玄宗(正しくは高宗)皇帝の御代に、玄奘三蔵が『大般若経』の翻訳に取りかかりました。玉華寺という大伽藍にこもり、梵語から漢語に訳したものを寂照や慶賀らその寺の高僧に筆記しても…

巻四第二十六話 無着の神通力が世親を改心させた話

今昔物語集 巻4第26話 無着世親二菩薩伝法語 第廿六 今は昔、仏滅後九百年のころ、中天竺の阿輸遮国というところに、無着菩薩という聖人がいらっしゃいました。智恵甚深、弘誓広大でした。夜は兜率天に昇って弥勒の御許で大乗の法を学び、昼は閻浮堤(人間界…