今昔物語集 現代語訳

『今昔物語集』の現代語訳と解説。有志の参加者募集中です。

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2018-01-01から1年間の記事一覧

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巻五第三話 王が盗人を大臣にした話

巻5第3話 国王為盗人被盗夜光玉語 第三 今は昔、天竺にある国がありました。その国の王はこの世にふたつとない宝とされる夜光の玉を持っていました。それを蔵に納めておいたところ、泥棒がどうやってか入り込んでそれを盗んでしまいました。 国王はそれを嘆…

巻一第一話 王妃が白象の夢を見て懐妊した話(釈迦伝01)

巻1第1話 釈迦如来人界宿給語 第一 今は昔、釈迦如来がまだ仏になっていないころは、釈迦菩薩といって、兜率天(とそつてん)の内院というところに住んでいました。 「閻浮提(人間界)に生まれよう」と考えはじめたとき、五衰が現れはじめました。五衰とは…

巻四第三十七話 阿弥陀と呼ばれる魚、島に誰もいなくなる話

巻4第37話 執師子国渚寄大魚語 第卅七 今は昔、天竺の執師子国の西南、目がとどく範囲に、絶海の孤島がありました。500余の家が漁をして生活しており、仏法を知らなかったといいます。 あるとき、島に数千の大魚がやってきました。島の人はこれを見てたいそ…

巻五第十二話 五百人の皇子、国王の行幸中に皆そろって出家してしまう話

巻5第12話 五百皇子国王御行皆忽出家語 第十二 今は昔、天竺に国王がありました。五百人の皇子を持っていました。 あるときの行幸のことです。国王は五百人の皇子を前に立たせて進んでいくと、たまたま一人の比丘(僧侶)が、琴を弾きながら皇子たちの行く先…

巻四第三十六話 美しい鳥に乗って旅立った人々の話

巻4第36話 天竺安息国鸚鵡鳥語 第卅六 今は昔、天竺の安息国の人は仏法を知りませんでした。 この国に鸚鵡(オウム)という鳥が飛んできました。黄金の色をしていて、白いところや青いところもある美しい鳥です。しかも、この鳥は人間のようにものを話したの…

巻四第三十五話 子が死んでも動じない父母の話

巻4第35話 仏御弟子値田打翁語 第卅五 今は昔、天竺。仏の御弟子である一人の比丘(僧侶)が歩いていました。老人と若い男がふたり、荒地を耕しています。 比丘が「田を作っているのだろう」と思っていると、若い男が急に倒れ、死にました。老人はこれを見ま…

貨幣経済、ボランティア、テクノロジーそして千年の心

『今昔物語集』が書かれた時期は、貨幣経済がほとんどなかった時代です。このテーマは歴史学者・網野善彦の著書にくりかえし出てきます。 じゃあ下の話はどう説明つけんのさと食ってかかりたくなりますが、当時は文盲率が驚くほど高かったですから、これは字…

巻五第二話 国王が山に入って姫を獅子に取られる話

巻5第2話 国王狩鹿入山娘被取師子語 第二 今は昔、天竺にある国がありました。その国の王は山へ行き、人を使ってほら貝を吹かせたり鼓を鳴らしたりと山間に入らせて鹿を脅かして追いたて、そのように楽しむことがありました。さて、その王にはそれは大事に…

巻四第三十四話 大金を投げ捨てた兄弟の話

巻4第34話 天竺人兄弟持金通山語 第卅四 今は昔、天竺に兄弟がありました。ともに旅をするうち、それぞれが千両の金を得ました。 山々を通っていくうち、兄は思いました。「弟を殺し、千両の金を奪って、私の千両に加えれば、二千両になる」 また、弟はこう…

巻四第三十三話 牛をほめて賭けに勝った話

巻4第33話 天竺長者婆羅門牛突語 第卅三 今は昔、天竺に長者とバラモンがありました。千両をかけて牛を闘わせていました。日を決めて、それぞれが一頭ずつ牛を出し、闘う様子を眺めるのです。これを見に来る人も多勢いました。 長者が言いました。「私の牛は…

巻四第三十二話 薬が人となり皇子を救った話

巻4第32話 震旦国王前阿竭陀薬来語 第卅二 今は昔、震旦(中国)に皇子がありました。容姿が端正で美しい心をもっていました。父王はこの皇子をたいへんに愛していました。 やがて、皇子は重い病を得て床につき、数か月が経ちました。国王はこれを歎き、天に…

【協力】クレジットに関して(援助について)

このプロジェクトは独自ドメインを取得しオリジナルのウェブページでサービスを展開するのがもっとも適当だと考えています。やがては電子書籍の形で誰でも入手可能なかたちをとります。 とはいえ、ボランティアで運営している悲しさか、資金的にはまったくプ…

あなたの功績は1000年残る。

あなたが華族の血筋なら別ですが、そうでないかぎり墓は100年もちません。あなたの周囲に100年以上残ってる墓がありますか? ほとんどないはずだし、あっても誰が入ってるかわからないはずです。 つまり、墓というモニュメントは、あなたの人生を、存在を、…

巻五第十一話 小僧の血が五百の旅人を救った話

巻5第11話 五百人商人通山餓水語 第十一 今は昔、天竺に五百人の商人があり、商用で他国に行く途中にある山を通りました。かれらは一人の沙弥(しゃみ、年少の僧)を連れていました。 間違った方向に足をすすめ、山深い場所に迷い込んでしまいました。そ…

巻四第三十一話 王の殺意から逃れた名医の話

巻4第31話 天竺国王服乳成嗔擬殺耆婆語 第卅一 今は昔、インドに国王がありました。心はねじ曲がっていたし、いつもうとうとして、眠ってばかりいました。まるで寝ることが仕事のようでした。 こんな人はそうはいません。大臣や公卿は「これは病だ。だから終…

巻四第三十話 死人の頭を売り歩く男の話

巻4第30話 天竺婆羅門貫死人頭売語 第三十 今は昔、天竺に一人のバラモンがありました。多くのドクロをヒモでつないで持ち歩き、王城に入って大声で叫びます。「おれは死人のたくさんのドクロ貫いて持って歩いている。このドクロを買う人はいないか」こう叫…

巻七第二話 死者の右手が光を放ち、蘇生した話

巻7第2話 唐高宗代書生書写大般若経語 第二 (巻七第二話 閻魔大王の裁きを待つ書記生の右手が写経の功徳で大光明を放ち、蘇生を許された話) 今は昔、震旦の唐の高宗の治世、乾封元年に、ひとりの書生がおりました。重病にかかってたちまち絶命しましたが、…