2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧
巻4第33話 天竺長者婆羅門牛突語 第卅三 今は昔、天竺に長者とバラモンがありました。千両をかけて牛を闘わせていました。日を決めて、それぞれが一頭ずつ牛を出し、闘う様子を眺めるのです。これを見に来る人も多勢いました。 長者が言いました。「私の牛は…
巻4第32話 震旦国王前阿竭陀薬来語 第卅二 今は昔、震旦(中国)に皇子がありました。容姿が端正で美しい心をもっていました。父王はこの皇子をたいへんに愛していました。 やがて、皇子は重い病を得て床につき、数か月が経ちました。国王はこれを歎き、天に…
このプロジェクトは独自ドメインを取得しオリジナルのウェブページでサービスを展開するのがもっとも適当だと考えています。やがては電子書籍の形で誰でも入手可能なかたちをとります。 とはいえ、ボランティアで運営している悲しさか、資金的にはまったくプ…
あなたが華族の血筋なら別ですが、そうでないかぎり墓は100年もちません。あなたの周囲に100年以上残ってる墓がありますか? ほとんどないはずだし、あっても誰が入ってるかわからないはずです。 つまり、墓というモニュメントは、あなたの人生を、存在を、…
巻5第11話 五百人商人通山餓水語 第十一 今は昔、天竺に五百人の商人があり、商用で他国に行く途中にある山を通りました。かれらは一人の沙弥(しゃみ、年少の僧)を連れていました。 間違った方向に足をすすめ、山深い場所に迷い込んでしまいました。そ…
巻4第31話 天竺国王服乳成嗔擬殺耆婆語 第卅一 今は昔、インドに国王がありました。心はねじ曲がっていたし、いつもうとうとして、眠ってばかりいました。まるで寝ることが仕事のようでした。 こんな人はそうはいません。大臣や公卿は「これは病だ。だから終…